青酸配糖体(cyanogenic glycoside)について
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 天然界にはα-ヒドロキシニトリル(α-hydroxynitrile;cyanhydrin)の水酸基に糖が結合した配糖体が存在する。これらは酵素(β-グルコシダーゼなど)あるいは希酸で処理すると分解してシアン化水素(青酸せいさん;HCN)を発生するので、青酸せいさん配糖体はいとうたいとして区別する。無論、有毒であり食中毒の原因となる。生合成的には対応するアミノ酸に由来する。
 青酸配糖体を含めて酵素分解などで青酸を発生する天然有機化合物をシアノーゲン(cyanogen)と称するが、決して珍しいものではなく天然界にはかなり広く分布し、植物では100科2000種に達するといわれる。身近なものでは、ウメモモアンズビッターアーモンドの種子にアミグダリン(Amygdalin)と称する青酸配糖体が含まれており、共存する酵素で分解されるとベンズアルデヒドとともにシアン化水素を発生する。

amygdalin_decomp