葉 の 形 態 と 葉 序
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1.葉には単葉と複葉がある

 葉は普通葉緑体を含む葉身ようしんといわれる部分と、葉身と茎枝をつなぐ葉柄ようへいから成り立っている。葉身には通常太い中脈ちゅうみゃく主脈しゅみゃくともいう)と細い側脈そくみゃくがある。葉は、葉身が一つの単葉たんようと、複数の葉身(小葉しょうようという)から構成される複葉ふくようとに大別される。複葉はさらに下図のように掌状しょうじょう羽状うじょうに大別される。掌状複葉にはアケビのほか、一般には朝鮮人参あるいは高麗人参といわれるオタネニンジンがある。また、公園などに植えられるトチノキもこのタイプである。掌状複葉というのは通常小葉の数が5つであるが、3つのものを3出複葉として区別し、例としてイカリソウが挙げられる。羽状複葉とは単葉において各側脈の部分が葉として独立したものと考えればよい。小葉の数により偶数ぐうすう羽状うじょう奇数きすう羽状うじょうに分けられる。複葉の各小葉がさらに小さい小葉で構成されたと見なされるものがあり、それらを2回羽状、2回掌状複葉と呼ぶ。葉の形態による植物の分類では、まず、葉の形として以上のどのタイプに属するか判断する必要がある。

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2.葉のつき方には一定の規則がある

 葉の茎に対する配列は植物によって一定の規則があり、これを葉序ようじょという。一節に一つの葉(単葉、複葉ともに含む)をつけるものを互生ごせい 、二つつけるものを対生たいせい、三つ以上を輪生りんせいと区別する。草本の場合、根元から直接葉が出るものがあり、それを根出葉こんしゅつよう、その形態を根生こんせいといいう。また葉が茎につく形態も重要で、薬用植物のケシや道端に普通にあるオニノゲシでは葉柄がなく葉が茎に回り込んでいるので、これを「茎を抱く」と表現する。栽培種のイネを含めてイネ科植物の葉は特殊な形態をしており葉鞘ようしょうという。もっとも身近にあり、また一般の知名度の高いイネ科植物としてはエノコログサ(ネコジャラシ)などがある。前述のミズキとクマノミズキの区別は実は葉序の違いによるものである。

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  束生そくせい沿着えんちゃく茎を抱く
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   楯状たてじょう葉鞘のある
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2列互生互生対生
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  十字対生輪生