生薬の理化学的評価(日本薬局方確認試験)
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 生薬は天産物なので多種多様な二次代謝成分が含まれている。生薬の医薬品としての薬効にはその全てが関与するとは限らないが、2種以上の成分が相加的あるいは相乗的に作用したり、逆に相反する作用を有する成分が共存することがかなりの生薬に認められるという事実を考えると、特定の成分だけを生薬の品質の指標とするのは好ましくない。しかし、現実には生薬の化学的情報が全て解明されているわけではなく、また特定の薬理作用に対して有効成分が特定されていることも少ないので、現状では限られた成分について理化学的試験法を行うことにより生薬の品質試験としている。これには成分の定量試験と定性試験がある。定性試験は局方では確認試験(一部は純度試験)の項目に記載され、その多くは特定の成分に特異的なものではなく、一定の官能基、骨格を有する化合物に共通な反応であり、また生薬の有効成分以外の成分に基づくものもあるので、かならずしも生薬の品質に言及するものではなく、むしろ生薬の鑑定、鑑別に資するものに近い。本項では日局15に規定される範囲で概要を記す。また、確認試験で用いられる呈色反応の一部は薄層クロマトグラフィー(TLC)のスポット検出にも使われることに留意する。

1.定性試験

 主として確認試験の項目に、少数例が純度試験の項目に記載されている。大部分は―定の官能基、骨格を有する化合物に共通な反応であって特異性に乏しいものもあり、また生薬の有効成分以外の成分に基づくものもある。日局14に記載される定性試験法は下記A-Wの項目の通りで物理化学的手段や化学的な反応、呈色が主流である。ここでは骨子を記し、各生薬とその試験の対象となる成分の名を示す。
I.UV吸収スペクトル: 分子は紫外線を吸収して電子状態の変化をおこす。吸収されるエネルギー(波長)は分子の構造と密接な関係がある。共役二重結合や芳香環では吸収が近紫外部にあるので簡単に測定ができ、感度も非常に良いが、試料溶液に多くの成分を含む生薬の定性試験での使用は限定的である。
  対象生薬(対象成分):セネガセネギン:サポニン)
             ボタンピ末ペオノール
II.蛍光: クマリン類などには強い蛍光を発するものが多いため、主としてこれらを含有する生薬の確認試験に用いられる。
  対象生薬(対象成分):アロエ(アンスラノール)
             ビャクシ(フロクマリン)
III.比色法: 試料物質の吸光度または反射光による色調や色の濃さなどを、標準物質と比較して定性する。視覚で行う。色素成分に対する試験法である。
  対象生薬(対象成分):サンシシクロチン
IV.クロマトグラフィー: 吸着剤に対する親和性の差及び固定相と移動相間の分配率の差を利用して混合物を分離する操作法の1つで、各種の方法があるがこのうち薄層クロマトグラフィー(TLC)と毛管分析が応用されている。
 IV-1.毛管分析: 規定のろ紙片の一端に試料溶液を吸わせ、水3mLを入れたガラス容器中に吊り下げ、―時間後に引上げて乾燥、ろ紙上に分離した各成分のバンドのパターンを解析する。
  対象生薬(対象成分):コウカベニバナ色素
 IV-2.薄層クロマトグラフィー: TLC用シリカゲルを用いて調製した薄層板を固定相として、―端近くに試料をスポットし、密閉容器内で薄層板の試料をつけた方の―端を展開溶媒に浸し、溶媒を薄層板にしみこませて展開、薄層板に分離した各成分の位置(スポット)を化学的又は物理的性質を利用して検出する。検出で観察された結果とRf値から試料に含まれている各成分について定性的に解析する。生薬の有効成分または特異成分を標準物質として検出するものと、特に標準物質を設けず特色あるスポットを検出するものと二通りある。標準物質を用いる試験では試料溶液に認められる数個のスポットのうちの1個のRf値と色調が標準物質のそれと同じであることを確認する。標準物質が規定されていない時、記載された範囲のRf値と色調を示すスポットを確認することが判定の基準となる。15局で初めて収載されたシゴカは高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を用いて標準試料を直接検出する最初の例となった。
  対象生薬は別ページの別表を参照。
V.昇華および乾留: キノン類やキサントン類その他昇華性の物質を含む生薬は直接生薬を加熱して、気化物が冷えて析出した結晶の性状で同定できる。2種の操作法がある。
 V-1.微量昇華法: スライドガラス上に内径。高さ各10mmのガラスリングを置き、その中に生薬粉末0.1gを採り、スライドガラスまたは水で潤した炉紙でおおい、徐々に加熱してリング上を被っているものの内面に昇華物を得る。
  対象生薬(対象成分):ケツメイシ(アントラキノン)、ゲンチアナ(キサントン)
 V-II.試験管で行うもの: 生薬を小量試験管に採り、やや斜に保って管底を加熱し、発生する蒸気と上部管壁に付着する物質の性状で同定する。乾留も同じ方法による。
  対象生薬(対象成分):アンソッコウ(ケイヒ酸、安息香酸)
             シコンシコニン
VI.水を用い、試薬を使用しない:
 VI-1.起泡性 サポ二ンを含む生薬は水を加えて振り混ぜると持続性の微細なあわを生じる。これはサポニンの特異な構造による界面活性様作用を利用したものである(→サポニンはなぜ泡立つか?参照)。

生薬名 対象物質名
イレイセン オレアナン系サポニン
オンジ オレアナン系サポニン
キキョウ オレアナン系サポニン
ゴシツ オレアナン系サポニン
サイコ オレアナン系サポニン
セネガ オレアナン系サポニン
チ モ ステロイドサポニン
モクツウ オレアナン系サポニン

 VI-2.のり状の液 デンプン類は水を加えて煮沸し放冷すると混濁した中性ののり状の液となる。
  対象生薬:コムギデンプン、コメデンプン
       トウモロコシデンプン、バレイショデンプン

 VI-3.膨潤 粘液含有生薬類は水を加えると粘液が溶出し膨張してくる。
  対象生薬:オウバク、シャゼンシ、トラガント
 VI-4.溶解度差 対象生薬:カンテン、コンズランゴ
VII.アルカリ: 呈色または加水分解およびアルカリ溶融に使用される。べンゾキノン・ナフトキノン・アントラキノンなどのキノン類やキサントン類はアルカリを加えると色調が変化する。また油脂類は苛性アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)で加水分解して生成する脂肪酸で判定できるので、これらに応用される。
  対象生薬(対象成分):シコンシコニン
             センナ(アントラキノン)
             ソボク(ブラジリン)          
VIII.酸: 使用目的は多岐である。用いられる酸は塩酸・硫酸・硝酸・リン酸・ときには混合した酸である。
 VIII-1.塩酸を使用するもの:
  対象生薬(対象成分):ボレイ(炭酸カルシウム)
             モッコウ(セスキテルペン)
             リュウコツ(炭酸カルシウム)
 VIII-2.硫酸を使用するもの:
  対象生薬(対象成分):アンソッコウサフランクロチン
             ソヨウ(モノテルペン)
             ハッカ(モノテルペン)
             レンニク(1-ナフトールによる糖類の検出)
 VIII-3.硝酸、リン酸、混合酸を使用するもの:
  対象生薬(対象成分):アロエ
             ホミカストリキニーネ
IX.マグネシウム・塩酸反応: 淡赤色、赤紫、赤色に呈色するフラボノイド(フラボン、フラボノール、フラバノンなど)に特有の呈色反応である。
 カッコンには構造のよく似たイソフラボンが含まれるが、本反応で呈色しない!

生 薬 名 対象物質名
エイジツ フラボノール
キジツ フラバノン
チンピ フラバノン
レンギョウ フラボノール
ジュウヤク フラボノール

X.バニリン・塩酸試液: フェノール性水酸基・フラン環を有する成分は呈色するのでそれらを含む生薬の―部に用いられる。
  対象生薬(対象成分):アセンヤク(カテキン)
             ビャクジュツ(セスキテルペン)
             ソウジュツ(純度試験:ビャクジュツとの区別)
XI.Liebermann-Burchard反応及びSalkowski反応: ステロイド、トリテルペンに対する呈色反応である。サポニンも非糖部がステロイド、トリテルペンであるから本反応で呈色する。無水酢酸抽出液または抽出物を無水酢酸に溶かした溶液に濃硫酸を層積するか、クロロホルム溶液(またはこれに無水酢酸を加えたもの)に濃硫酸を層積すると界面は赤紫色などに呈色する。溶剤にクロロホルムを用いる場合をSalkowski反応、無水酢酸の場合はLiebermann-Burchard反応と呼称する。Liebermann-Burchard反応では濃硫酸と無水酢酸が2層となるので、境界面および上層(無水酢酸層)の色調からトリテルペノイド(境界面は赤~紫)かステロイド(上層は赤~緑)かを区別し得る。

生薬名 対象物質名
イレイセン トリテルペン系サポニン
オウセイ ステロイドサポニン
オンジ トリテルペン系サポニン
キキョウ トリテルペン系サポニン
コウジン トリテルペン系サポニン
ゴオウ 胆汁酸
サンヤク ステロイド
ソウハクヒ トリテルペン
チモ ステロイドサポニン
チョレイ ステロイド
ブクリョウ ステロイド、トリテルペン
ボウコン トリテルペン系トリテルペン
ユウタン 胆汁酸
レンギョウ トリテルペン

XII.塩化鉄(III)試液:  一般に、オルト位に水酸基あるいはカルボニル基をもつフェノールは第二鉄イオンが右図のように配位して発色する。タンニンはカテコール、ピロガロール残基を多くもつのでとりわけ強く発色する。(タンニンの構造タンニンとは何か参照)また、5位に水酸基を有するフラボノイドでも強く発色する。


生 薬 名 対象物質名
アヘン末 メコン酸
アマチャ フィロズルチン
ウワウルシ タンニン
オウゴン オウゴニン
ゲンノショウコ タンニン
シャクヤク タンニン
チモ タンニン
チョウジ オイゲノール

XIII.鉛塩・バリウム塩・カルシウム塩: ポリフェノール類や酸性多糖などの検出に使用される。酢酸鉛試液・次酢酸鉛試液・水酸化バリウム試液・水酸化カルシウム試液として用いられ、沈澱生成で確認する。
  対象生薬(対象成分):アラビアゴム
             ゴオウ(bilirubin)
             ハチミツ(純度試験)
XIV.ヨウ素試液: デンプンその他の多糖類は特徴的な呈色をする。通例、暗青色~青紫色に呈色する。
 形態の似るキキョウとニンジンとはヨウ素試液呈色反応で容易に区別できる。

生薬名 対象物質名
カンテン 粘液多糖体、デンプン
ゴオウ 純度試験
サンヤク デンプン
トラガント デンプン
ニンジン デンプン
ブクリョウ 多糖体
ヨクイニン デンプン
ハチミツ 純度試験

XV.フェーリング試液: 還元性のある糖を加えて煮沸すると亜酸化銅の燈赤色沈殿を生ずるので、オウセイシャゼンシの粘液質に含まれる還元糖の検出に用いられる。
XVI.ニンヒドリン試液: アミノ酸及びその類縁体の特異的検出試薬であり、試料に本試液を加えて加熱すると赤紫色に呈色する。警察の鑑識班では通常の方法では検出できない紙などに付着した指紋を検出するのにニンヒドリン試液を用いている。
  対象生薬(対象成分):マオウエフェドリン
             マクリ(カイニン酸)
XVII.2,4-ジニトロフェ二ルヒドラジン・エタノール試液: アルデヒド基・ケトン基の検出に広く用いられ、液状物質を固体の誘導体にして検出できる利点がある。ケイガイの確認試験に用いられ、精油成分であるモノテルペンを検出対象とする。
XVIII.4-ジメチルアミノベンズアルデヒド: アミノ基の活性水素や活性メチレンの検出に硫酸を加えて製した試液を用いる。この呈色反応をEhrlich反応と称する。
  対象生薬(対象成分):ゴシュユエボジアミンなど)
XIX.ゼラチン試液:タンニンは蛋白質と結合して水に不溶の沈澱を生ずる。アセンヤクタンニンの検出に応用されている。
XX.汎用アルカロイド試薬: Dragendorff試液は広範なアルカロイドと反応して呈色または沈澱を生ずるのでアルカロイド含有生薬の―般確認試験に使用される。

生 薬 名 対象物質名
エンゴサク プロトピンなど
クジン マトリンなど
ゴシュユ エボジアミンなど
センコツ ヌファリジンなど
チョウトウコウ インドールアルカロイド
ボウイ シノメニンなど

XX-I.各アルカロイドに特異的な呈色反応: 日本薬局方収載生薬の確認試験に利用されているものでは、Vitali反応:トロパン系アルカロイド(→ロートコン)、Ehrlich反応(4-ジメチルアミノベンズアルデヒド試薬):インドール系アルカロイド(→ゴシュユ)、Snelling反応:トコンアルカロイド(→トコン)、Labat試薬によるメチレンジオキシ基の呈色や過酸化水素試液による塩化ベルへリンの呈色:ベルベリン系アルカロイド(→オウレン、オウバク)、重クロム酸カリウム塩の硫酸による呈色:ストリキニーネ(→ホミカ)がある。
XXI.その他の有機物の検出法:ボレイでは加熱すると残留有機物が焦げるので特異な匂いを発する。赤熱するまで加熱すれば有機物は飛散し、無機質だけが残る。トチュウでは水抽出液をジエチルエーテルで分配してエーテル層を取り、エーテル層を留去・乾固し、エタノールを加えるとコロイド状となる。これは高分子物質であるグッタペルカによるものである。
XXII.無機イオンの検出: 鉱物基原の生薬では無機イオンを検出する確認試験がある。
  対象生薬(対象成分):セッコウ(カルシウム塩)
             ボレイ(カルシウム塩)
             リュウコツ(カルシウム塩)

2.定量試験

 ―般試験法中の生薬試験法の項に水分や土砂および対象を特定の化合物におかないで成分含有量を知る目安とする試験法が、また医薬品各条には有効成分や特異成分を対象とする定量法が規定され、これらを必要とする生薬の各条には規格値が設定されている。(→生薬試験法
I-V.対象を特定の成分としない定量(操作は生薬試験法を参照)
I.乾燥減量: 事実上、生薬中の水分定量であり、乾燥不十分に起因する品質低下を防ぐ目的で行われる。
II.灰分: 植物や動物を墓原とする生薬は、カリウム塩、ナトリウム塩などの無機塩を含有するが、その量が各条に規定する量より多い場合は小石や土砂の除去不十分や保管中の汚染が予想される。
III.酸不溶性灰分: ケイ酸塩など中性無機塩を定量する物で、細かい土砂の付着量を測定する―助としている。
IV.エキス含量: つぎの2種の方法がある。
 IV-1.希エタノールエキス定量法: 乾燥減量により得た数値を用い、乾燥物に換算した試料に対するエキス含量(%)を算出する。
 IV-II.水性エキス定量法: IV-Iの希エタノールの代りに水を用いる.操作法と算出法は同様である。 第十五改正日局ではアロエとアロエ末だけに適用される。
 抽出ずみ生薬の混入や切断生薬では、切断時に長時間水に浸された生薬は、正常品に比べエキス含量が低くなり、また全草を用いる生薬の―部には葉の多い良質のものほどエキス含量が高いので、これらの概略を知るのに用いられるが、同―生薬においてエキス含量の高いものほど良質といえない場合もあるので、この点の留意が必要である。
V.精油含量: 粉末生薬では粉末工程で精油が揮散損失するので、規定値は全形や切断生薬よりやや低く設定されている。精油含量の規定されている生薬(*印は粉末生薬の規定あり)は次の通りである。

生 薬 名 対象物質名
ウイキョウ* フェニルプロパノイド
ガジュツ セスキテルペン
カノコソウ* モノ・セスキテルペン
ケイヒ* フェニルプロパノイド
コウブシ* セスキテルペン
サイシン フェニルプロパノイド・モノテルペン
サンショウ* モノテルペン
シュクシャ* セスキテルペン
ショウズク モノ・セスキテルペン
シンイ モノ・セスキテルペン
ソウジュツ* セスキテルペン
ソヨウ モノテルペン
チョウジ* フェニルプロパノイド
チンピ モノテルペン
トウヒ モノテルペン
ハッカ モノテルペン
ビャクジュツ* セスキテルペン
ヤクチ モノ・セスキテルペン

VI. 特定の成分を対象とする試験
 VI-I.滴定法: アルカロイド含量を定量する際に、抽出精製したアルカロイドを―定量の酸規定液に溶解し、過剰の酸をアルカリ規定液で逆滴定してアルカロイド量を算出する中和滴定法が、アへン末、アヘン散、アヘンチンキのモルヒネ定量に規定されている。アへン末からモルヒネを得るには石灰抽出法(水酸化カルシウム存在下で水で抽出、最後に塩化アンモニウムでモルヒネを沈澱させる)を用いるが、中和滴定で定量するには、―般には生薬をアンモニアアルカリ性とし、遊離したアルカロイド(アルカロイドは植物体内では有機酸と塩を形成している)を有機溶媒で抽出する。これを酸で処理するとアルカロイドは水層に転落、この水層をアルカリ性とすれば再び有機溶媒に転溶する。この原理を用いて精製後、有機溶媒に溶解しているアルカロイドを溶媒の留去により残渣として得たものについて適用する。第十五改正日局ではブシ・ブシ末も総アルカロイド(ベンゾイルアコニンとして)が規定されているが、修治法によって規定値が異なることに留意する。
  対象生薬(規定値):
    アヘン散(0.90-1.10%)
    アヘンチンキ(0.93-1.07w/v%)
    アヘン末(9.5-10.5%)
    ブシ1(高圧蒸気処理;0.7-1.5%)
    ブシ2(食塩水などに浸けた後、高圧蒸気処理;0.1-0.6%)
    ブシ3(食塩水に浸けた後、石灰を塗布;0.5-0.9%)
    ブシ末1(0.4-1.2%)
    ブシ末2(0.1-0.3%)
 VI-II.液体クロマトグラフ(HPLC)法: 固定相としてカラム中に適当な液体クロマトグラフ用充てん剤を詰め、移動相として適当な液体を流し、カラム中に注入した試料溶液および成分含量測定用の標準溶液を移動きせ、固定相に対する保持力の差を利用して成分を分離、検出器により検出し、記録装置を用いてクロマトグラムとして記録、目的とする成分のピーク面積の比較から成分含量を測定する。本法を定量の手段に用いる生薬はこちらを参照。
 VI-III.比色法その他: 試料生薬の量、抽出法、抽出液を採る量などを―定にし比較液より色が薄くないことを確かめる.サフラン中のクロチン含量は、―定濃度のカルバゾクロムスルフォン酸標準液と試料液との438nmにおける吸光度の比較で、標準液以上の吸光度を有するよう規定されている。
その他、ガスクロマトグラフ法、生物活性測定法(ジギタリスにのみ適用されているが第15改正薬局方から削除されたので省略)、重量・容量測定法によるものがあるが、その詳細は省略し、規定値のみを記載する。
  対象生薬(定量法;対象成分;規定値):
    ケイヒ油(重量法;総アルデヒド;>60vol%)
    ゴオウ(重量法;ピリルビン等;>12.0%)
    チョウジ油(容量法;総オイゲノール;>80.0vol%)
    ハッカ油(ガスクロマトグラフ法;メントール;>30%)
    ユーカリ油(ガスクロマトグラフ法;シネオール;>70.0%)