花が茎に着く状態を花序という。花序は大別して無限花序と有限花序があり、無限花序とは花軸の下位の花から上位の花へ、または外側の花から内側の花へ順次開花するものをいう。一方、有限花序は主軸の頂端に花芽が着き開花、次にその下位の分枝の花へ順次開花するものをいう。下の図で単頂花序、集散花序と巻散花序が有限花序に相当し、それ以外はすべて無限花序である。
1.無限花序
◆穂状花序
分枝しない主軸に花柄のない花がつくもの。例としてオオバコがある。
尾状花序(クリ)、頭状花序(キク科)、肉穂花序(サトイモ科)はこの変形である。
◆総状花序
分枝しない主軸に有柄の花がつくものでジギタリスにその典型を見ることができる。総状花序の類型として散房花序(ミズキなど)、散形花序(ウドなど)がある。植物の中には複合ふくごう花序かじょを形成するものも多く、たとえば総状花序の複合型は円錐状花序(複総状花序ともいう)と呼ばれる。散形花序の複合型は複散形花序であり、アシタバ、シシウド、トウキ、ハナウドなどセリ科植物に多く見られる。
2.有限花序
◆単頂花序
◆集散花序 単2出集散、複2出集散、巻散
単頂花序は頂端に花を一つ付けるものをいうが、有限花序の一型に含まれる。典型的な有限花序は集散花序であり、そのもっとも簡単な型は単2出集散花序であり、身近な植物ではハコベなどに見られる。複2出集散花序はその複合型であり、ウマノアシガタ、ノカンゾウなどのほか、ツリバナやマユミどマユミ属植物に見られる花序である。巻散花序は、一見、総状花序の類型に見えるが、キュウリグサなどムラサキ科に多く見られる集散花序の一型である。